ふと気づくと、このブログは読んだ本の感想をアップしているだけだったりする。
もっといろいろな記事を書きたいと思っていたのだけど、やっぱりカテゴリー分けしようかなという考えになってきた。
感想文と言うより読んだ本の忘備録みたいだけど、今日読み終えた本について、とりあえず更新しておこう。

伊与原新さんの作品は、今年の4月に読んだ『宙わたる教室』以来の2冊目。
読書メーターなどでも良く見かける作家さんで、気になっていた。
『宙わたる教室』を読んで、とても面白いと思ったので、この『藍を継ぐ海』も読んでみた。
直木賞受賞作ということもあって買ってみていた。
この本には、5つの短編が収録されている。
伊与原さんの作品は、どうやら科学と関係する作品が多いのようだ。
科学小説かと言うと、ちょっと違う気がする。
はじめの短編「夢化けの島」は、国立大学の理学部地球科学科で助教をしている女性が主人公である。
山口県のとある島で地質調査をしている。
彼女が気にしているのは、たまたま船で出会った男性で、萩焼に使う見島土を探しているらしい。
その男性が実際に探しているものとその理由が物語の中心になっている。
次の「狼犬ダイアリー」は、日本狼を目撃した子供と遠吠えを聞いた主人公の話。
絶滅した日本オオカミに関する話がモチーフになっている。
子供が目撃し、やがて主人公も目撃するオオカミらしき動物の謎が最後にわかるというストーリーだ。
その次の「祈りの破片」は、長崎に落とされた原爆が破壊したものの破片を拾い集める男性が描かれる。
彼が収集した膨大なコレクションが保管されている空き屋に灯りがともる謎と彼がどうしてそんなものを集めていたかという謎が徐々にわかってくるというストーリーで、とても面白かった。
主人公は公務員で空き屋問題を担当していて、その空き屋にたまたま入ってみることになり、物語が始まる。
その次の「星隕つ駅逓」は、隕石を拾った女性の夫が主人公であるが、隕石そのものに関する話ではなかった。
タイトルの「駅逓」とは幕末から昭和初期まで北海道辺地の交通補助機関として、宿泊・人馬継立・郵便などの業務を行う制度のことで、駅逓取扱人が運営したのが「駅逓所」と呼ばれていた。
その「駅逓」と隕石の関係は読んでみてのお楽しみということに。
最後のタイトルとなった短編「藍を継ぐ海」は、ウミガメの話だった。
徳島県のとある海岸にやって来るアカウミガメに関する話だ。
主人公はそこで暮らし、ウミガメに興味を持つ少女。
とても良い話だったが、そこにつながるのか、と思える少女とウミガメの共通点があったのだった。
伊与原新さんの作品をもっと読みたくなった。
最新作は、今年7月に出版された『翠雨の人』だろうか。
きっと近いうちに買ってしまうだろう。