『西洋の敗北と日本の選択』 エマニュエル・トッド

ロシアがウクライナへ攻め込み、ウクライナを欧米が支援するという構図だが、攻め込んだロシアが一方的な侵略者のように思っていた。
この本を読むと、違った見方に出会うことになる。

この本に書かれている違った見方をしてみると、むしろこの本の方が正しいのではないかと思うくらいだ。
欧州やNATOが東へ拡大していて、ロシアは自衛のための戦いを始めたと、トッド氏は見ている。
米欧はウクライナの後ろ盾となり、武器を供与してきたが、戦況は芳しくなくて既にロシアに敗北していると見ている。

欧州諸国や米国に関する記述は、思わず納得してしまうものだったが、トッド氏の見方は一つの見方であり、客観的根拠があるものではないと思う。
確かに先に攻め込んだのはロシアかも知れないけれど、その前にNQTOの東への拡大がロシアにとってどの程度の脅威なのかも、報道はされていない。

戦争に正義も悪人もあるわけがないのだろう。
物事は一面だけでは判断できず、いろいろな見方があることを、この本は教えてくれると思う。
何となく危なっかしい世の中になってきたと思うが、まだまだ能天気なのかも知れない。

台湾有事に関して話題になっているが、いざと言う時には米国は手を引いてしまって、日本だけが先頭に立たされている状況すら目に浮かぶ。
そういうことがこの本には書かれていると思う。
日本の選択こそが、存立危機事態へ自らを導いてしまうのではないかと、とても不安になった。

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