『自分とか、ないから。教養としての東洋哲学』しんめいP著・鎌田東二監修
今月の7冊目(2024年:100冊/累計:1,925冊)
著者のしんめいPさんは、東大法学部卒。大手IT企業に就職するも、仕事ができないことがばれて退職。
その後鹿児島県にある島に移住したり、R1グランプリにチャレンジしたりしつつ、とうとう無職に。
実家のふとんの中にいる時に東洋哲学に出会い、衝撃を受けたそうだ。
その時のことをnoteの「東洋哲学本50冊よんだら「本当の自分」とかどうでもよくなった話」という記事に書いたら話題になって、この本を出版することになったんだそうだ。
何とも奇妙で理解しがたいくらいの経歴なんだけど、本の内容自体もそうだった。
超訳とはこの本のことを指すのだろうか。
ブッダに始まり、龍樹、老子と荘子、達磨、親鸞、空海の教えをざっくりとかつ的確に紹介しているところは、驚きだった。
東洋哲学に関して素人の著者だけど、京都大学教授の監修が成された本だから、信憑性に疑いの余地は無いだろう。
これほどまでにわかりやすく、実体験に基づき解説しているのだから、著者はちゃんと理解しているものだと思う。
難しいと思っていた東洋哲学だけど、この本を読むとすんなり入ってくる。
そして自分の人生に活かせる気がしてくるが、そう考えることもいけない気がしてくる。
本屋さんに並んでいて、以前から気になっていた本だけど、買って良かった、読んで良かったと思える本だった。
サンクチュアリ出版 2024年4月23日