『努力は仕組み化できる』山根承子

今月の1冊目(2024年:84冊/累計:1,909冊)

振り返ってみると、「努力」に関する本なんて読んだことがないと思う。
「習慣化」や「継続」に関する本は読んだことがある。
「努力」とは目標に向かって何かを継続していくことだとすると、要するにどれだけ続けられるかということだろう。

継続することは難しい面があるから、根性で続けようとするのではなく、習慣化して続ければ良い。
そういうことが書かれている本だけど、思っていたより幅広い。
例えば努力できる人とできない人の違いなども、実証実験結果を根拠に分析されている。
努力できる人の真似をすれば、努力に近づけるというわけだ。

誘惑に負けそうな自分をコントロールする方法というのも、興味があった。
ある行動を続ける努力と、ある行動を取らないようにする努力とでは違いがあるのだろうかという興味だ。
その他、努力するためのコツや妨害するもの、環境による影響、努力したということが良くない選択肢を選んでしまう罠、などについて書かれていた。
かなり幅広く、かつ実際に行われた実験結果などからの記述も多く、科学的な本でもあった。

この本を読んだからと言って、直ちに努力できるようになるというものでもないだろう。
結局は「継続」ということが大事だから、個人的にはやはり「習慣化」をいかに実現できるかにかかっている気がする。
いろいろな側面はあるが、その方が近道だと思う。

日経BP 2024年8月13日

春風 裕

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