『「何回説明しても伝わらない」はなせ起こるのか?』今井むつみ

「何回説明しても伝わらない」はなせ起こるのか?

今月の9冊目(2024年:70冊/累計:1,895冊)

私の場合、割と素直に書かれていることに共感を覚える方かもしれない。
この本も腹落ちする本だった。
ぜひこの本に書かれているコミュニケーションを実践してみたいと思った。

まずは前提として、伝わらない理由が書かれている。
個々人が持っている知識や思考の枠組み(スキーマ)はそれぞれ違っていて、伝わらないのが当たり前のようだ。
合わせて人間の記憶は曖昧なものであり、新しい情報で置き換わったりもするらしい。

この本は「認知科学が教えるコミュニケーションの本質と解決策」という副題がついているから、割と認知科学による「伝わらない」ことの説明が割と長かった印象だ。
でも、「伝わらない」ことを前提にして、コミュニケーションを取るようにしなくてはならないということが良くわかった。
確かに親子でさえも伝わらないことがあり、ずっと生計をともにしている夫婦でも行き違いは多々ある。
他人に伝わる筈が無いと考えるのが、普通かもしれない。

では、伝えるにはどうしたら良いか。
ざっくり言うと相手の立場に立つことだった。
基本中の基本のような感じだけど、確かに開いての立場に立ったコミュニケーションを取らないと、聞こうとしてくれないだろう。
それが相互に噛み合うと、何とか「伝わる」のだろう、というのが読んで良くわかったことだった。
興味深く読み、面白い本だった。

日経BP 2024年5月13日

春風 裕

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