『夫よ、死んでくれないか』丸山正樹
今月の4冊目(2024年:56冊/累計:1,881冊)
丸山正樹さんの作品で最も印象的なのは、『ワンダフルライフ』。
この作品は非常に面白く、忘れられない。
ちょうど今年の初めに文庫本化されたようだ。
この本のタイトルは、とても衝撃的だった。
まるで世の中の夫達を震撼させるようなタイトルだ。
若干ネタバレを含むので、ご注意いただきたい。
ただし、結末には一切触れないので、ご安心を。
主人公はまだまだ子供は作らず仕事を続けて行きたいと思っている女性。
その点で夫とうまく行っていない。
主人公の親友二人も一人はバツイチで独身生活を謳歌中で、もう一人は結婚して子供もいるが夫とうまくいってない。
この3人組中心に物語は展開して行く。
この設定って、でも良くあるものなのか。
3人が3人とも結婚ではうまくいってない。
離婚も面倒で、夫が自然に死んでくれたら良いなと思っている。
あくまで小説の世界、フィクションだから、こういう設定なんだと納得できるけど。
物語は主人公の夫が突然失踪するところから、急に面白くなる。
要するにその失踪の真相がこの物語の中核を成すのである。
前半100ページくらいは淡々と進み、その後急激にスピードを上げる感じ。
ページをめくるスピードも自然に上がって、一気読みだった。
双葉社 2023年10月21日発行